日本語教師を目指す人で、「ハローワーク」を活用して日本語教師養成講座の受講を考えている人も多いのではないでしょうか。
「ハローワーク」とは、日本の労働省が運営する公共職業安定所のことで、求職者と企業をつなぐ場所として広く知られています。
この記事では、ハローワークを活用して日本語教師を目指す方法と、そのメリット・デメリットもあわせて紹介します。
職業訓練で日本語教師を目指せるのかな…
日本語教師を目指す上で、活用できる国の支援制度や給付金について知りたい!
上記のようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ最後まで記事を読んでみてください!
日本語教師になるためのルート3つ
まず、日本語教師として、法務省告示校としての指定がある日本語学校や、その他教育機関で働きたい場合、下記3つの条件のいずれかを満たす必要があります。
ハローワークの職業訓練では、上記の日本語教師の資格に該当する「日本語教師養成講座420時間修了」を目指すことが可能です。
今回の記事では、その「日本語教師養成講座420時間修了」に該当するハローワークの職業訓練についてより詳しく解説します。
他の方法について詳細が気になる方は、ぜひ下記の記事も参考にしてみてください。
ハローワークの職業訓練とは?養成講座は受講できる?
はじめに、冒頭でも述べた通り、ハローワークとは日本の労働省が運営する公共職業安定所のことで、求職者と企業をつなぐ場所です。
職業訓練は、仕事に必要な技術や知識を習得するためのプログラムで、ハローワークでは多くの職業分野において訓練が提供されています。
特に日本語教師を目指す場合、ハローワークにおいて日本語教師養成講座が提供されています。
この講座では、日本語教師として必要な言語能力や教育方法、カリキュラム作成の方法、教材の選定などを学ぶことができます。
何といっても、最大の特徴は無料で講座を受講できることにあります。
通常、民間の日本語教師養成講座に通った場合、スクールによって幅があるものの、約40万~60万の費用が必要となります。
しかしながら、ハローワークの「求職者支援制度」を活用することによって、日本語教師養成講座の受講費用が無料になります。
「求職者支援制度」は、失業保険をもらえない人が学費無料で職業訓練を受け、早期に安定した職を探せるよう国が支援する制度です。
受講費以外の教材費などは自己負担になりますが、それでも教材費10,000円~15,000円ほどで講座を受講できる点は大きな魅力であり、活用しない手はありません。
また2023年4月1日以降、制度が一部見直され、見直し前と比較して受講できる条件や、さらに受講しながら給付金が受給できる条件も緩和されています。
以下、そのことも含めてご紹介したいと思います。
ハローワークの職業訓練を利用するための条件
無料で日本語教師が目指せる方法として、非常に魅力的な手段の一つではありますが、活用のための条件はあるのでしょうか。
結論からいうと、ハローワークで日本語教師養成講座を受講したい場合、下記4点の条件を必ず満たさなければなりません。
- ハローワークに求職の申し込みをしている
- 雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でない
- 労働の意思と能力がある
- 職業訓練の必要性を、ハローワークが認めている
実は2023年4月1日以前は、「失業中(離職中)であること」が講座受講の必須要件でしたが、23年の4月1日以降、在職中であっても、ハローワークに相談し、転職やキャリアアップにおいて職業訓練が必要だと認められた場合には、受講の申し込みができるようになりました。
また、大きなポイントとして、「雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者ではない」ことがあり、「以前の職場で失業保険に入っていなかった人」や「専業主婦」、「失業保険の受給期間が終わってしまった人」など、「失業保険を受給できない状態にある」ことが対象条件の一つであることには、変わりないようです。
「労働の意思」についても、以前は「受講後、すぐに働く意思があること」が求められていましたが、見直し後は労働の意思と能力があればOKで、この点、誰でも受講しやすい条件が整ってきているようです。
「教育訓練給付金制度」と受給方法
それでは、上記条件には当てはまらないものの、日本語教師を目指す人は制度の活用はできないのでしょうか。
そのような方でも活用できる制度として、「教育訓練給付金制度」があります。
「教育訓練給付金制度」について、厚生労働省のホームページによると、下記のように説明されています。
教育訓練給付制度とは、働く方々の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的として、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、受講費用の一部が支給されるものです。
厚生労働省公式HP「教育訓練給付金制度」より
「求職者支援制度」と異なり、全額無料というわけにはいきませんが、日本語教師養成講座の場合ですと受講費用の20%、最大10万円が給付される制度を活用することができます。
以前に制度を活用したことがあるかどうかや、雇用保険の加入状況によっても活用の可否が変わってくるので、詳細を知りたい方は、一度ハローワークに相談に行かれることをおすすめします。
ハローワークの職業訓練で日本語教師になる 受講手順
それでは、ハローワークの職業訓練で実際に日本語教師養成講座を受講するために、具体的にどのような手順を踏んだらいいでしょうか。
1.ハローワークで相談する
まずは、ハローワークへ行って、職業訓練で日本語教師養成講座があるかどうか、募集はいつからか、調べてもらいましょう。
お住いの地域でそもそも開講されているか、ご自身が受講条件を満たしているかどうか、細かい部分を教えてもらうことができます。
相談してみて、受講の意思が固まった場合は、所定の様式に記入して受講申し込みをしましょう。
2.施設見学に行く
申し込みをしたら、受講するスクールへ見学に行きます。
こちらの施設見学の過程に関しては、見学の機会を設けていない場合もあるようですので、最初の申し込みの段階で確認しておくといいです。
また施設見学を担当してくれる先生が、次で説明する選考過程の面接担当者である可能性も高いです。
3.筆記試験や面接を受ける
次に、講座受講のための選考を受けます。
選考については、書類選考や筆記試験、面接が中心となります。
募集人数より多く人が集まった場合、面接もあるので、受講動機や修了後の就業意思についても、しっかり話せるよう準備をしておいてください。
3.合否結果を受け取る
合否結果が郵送で届きます。
通常は最終選考の日から1~2週間ほどで通知がくるそうです。
めでたく合格したら、開講スケジュールや講義内容について事前に確認し、受講に臨みましょう!
ハローワークの職業訓練で日本語教師になる 受講期間・時間
ハローワークで開講される日本語教師養成講座の受講期間は、一般的に4ヵ月~6ヵ月です。
施設によっても異なるので、ここもあらかじめ確認の必要があります。
また開講スケジュールは、基本的には平日9時~16時となります。
訓練施設によって異なりますが、希望する期間に自由に受講できる制度ではないので、原則として開講期間と時期にすべての講義を受講する必要があります。
すべての講義に参加できるよう、予定を組んでおきましょう。
ハローワークの職業訓練で日本語教師になる メリット・デメリット
メリット 無料で受講 & 条件によって、給付金支給あり
やはり、職業訓練で日本語教師養成講座を受講する一番のメリットは、受講料が無料であることです。
かかっても教材費10,000~15,000円のみで、自費でのスクーリングと比較するとだいぶ安価に受講できます。
さらに、条件を満たした場合、無料で講座が受講できるだけでなく、月10万円の生活支援(職業訓練受講給付金)や受講にかかる交通費を受給することができます。
また、冒頭にも述べた通り、2023年4月から要件が緩和され、さらに受講しやすい環境が整ってきています。
例えば、月額25万円以下の世帯収入が条件であったのが、30万円以下と上限額があがったことや、育児・介護中の場合でも訓練実施日全体の2割以内の欠席であれば認められる、と変更されたことなどです。※厚生労働省HP「求職者支援制度のご案内」より
給付条件については、本人収入、世帯収入、雇用保険の状況、職業訓練の受講履歴など、様々な要因が関わってくるので、こちらも条件に該当するかどうか、一度ハローワークで確認してほしいと思います。
デメリット 受講したくても、できない可能性がある
一方で、デメリットとして、受講したいと思ってもそのタイミングやお住いの地域によっては受講できない可能性があることがあげられます。
実際、職業訓練で日本語教師養成講座に申し込みたいと思っても、そのタイミングで募集があるとは限りません。
また、上述の通り住んでいる地域で実施していない場合もあります。
仮に申し込めたとしても、応募後に審査があり、それに落ちる可能性もあります。
応募書類や面接で、しっかりと働く意思や受講動機について伝えられるよう、準備が必要です。
ハローワークの職業訓練で日本語教師になる まとめ
ここまで、ハローワークの職業訓練を活用して日本語教師になる方法についてみてきました。
ハローワークで活用できる制度については、下記の通りです。
- 「求職者支援制度」の活用で、日本語教師養成講座を無料で受講でき、かつかかる生活費や交通費の受給、また就職サポートを受けることができる
- 本人・世帯収入や雇用保険の加入状況によっては、給付金の活用に制限がある
- 2023年4月1日以降の見直しにより、在職中の人や、育児・介護中の人でも無料で受講しやすい制度になった
- 「職業訓練給付金制度」など、その他の制度活用で民間スクールでも安価に受講できる可能性あり!
2023年4月1日以降、さらに受講しやすい条件が整ってきて、これまで受講できなかった人でも応募できそうな兆しが見えてきました。
また条件に当てはまらない人も、下記のリンクから、お住いのエリアや通信のみで受講できる民間の日本語教師養成講座について、無料で資料を一括請求することができます。
「教育訓練給付金制度」が活用できるスクールも多くありますので、ぜひ「ハローワーク」とあわせて比較検討してみてほしいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!