日本語教師の採用面接で聞かれやすい質問は?
模擬授業はどんなことに気をつけたらいい?
このように、日本語教師の採用面接や模擬授業を控えている方も多いと思います。
本記事は日本語教師の採用面接や模擬授業の準備をしたい方が対象です。
日本語教師の採用面接時に聞かれる質問は何か、模擬授業ではどのような文型が出題されるのか、このあたりを中心に解説していきます。
採用面接や模擬授業に万全の準備で臨みたい方はぜひ最後までお読みください。
日本語教師の採用面接では何を聞かれる?
日本語教師の採用面接時に何を聞かれるか不安だという方も多いのではないでしょうか。
特に面接試験では、受験する日本語教育機関の特徴を熟知しておく必要があります。
ホームページや求人情報サイトから情報収集を行うのがよいでしょう。
「日本語教師キャリア」は8,000名以上の日本語教師が登録する求人情報サービスです。日本語学校などを中心に求人が多数掲載されていますのでぜひご利用ください。
☟ 「日本語教師教師キャリア」に登録 ☟
日本語教師の採用面接時に聞かれることは以下の通りです。
多くの日本語教育機関では面接と模擬授業を同日に行うところがほとんどです。
面接後に模擬授業を行うパターンと模擬授業後に面接を行うパターンがあります。
以下、面接時に聞かれやすい質問を順番に解説していきます。
志望動機
- 「志望理由を聞かせてください」
- 「なぜ当校で働きたいのですか?」
- 「当校がどんな学校かご存知ですか?」
- 「当校のほかに応募した学校はありますか?」
志望動機は最初に聞かれる定番の質問です。
学校の特徴、学習者の国籍やニーズ、ほかに応募した学校などを中心に聞かれます。
雇用条件
- 「当校でどのくらいの期間働けますか?」
- 「年収はどのくらいを希望されていますか?」
- 「採用となった場合はいつから勤務可能ですか?」
- 「クラス担任を受け持っていただきますが可能ですか?(常勤の場合)」
- 「ほかの学校では週に何コマ程度教えているのですか?(非常勤の場合)」
- 「授業のコマ数/時給はどのくらいを希望していますか?(非常勤の場合)」
- 「試用期間や契約期間が経てからの正式採用になりますが大丈夫ですか?」
雇用条件も面接時に必ず聞かれる質問です。
特に非常勤の場合は希望の授業コマ数を聞かれることが多いので確認しておきましょう。
経歴や職歴
- 「社会人経験はどのくらいですか?」
- 「日本語教育はどこで学びましたか?」
- 「これまでの経歴や職歴を教えてください」
- 「前職での経験をどのように活かせそうですか?」
- 「前職で良かったこと、苦労したことは何ですか?」
- 「なぜ日本語教師に転職しようと思ったのですか?」
経歴や職歴についても面接時に必ず聞かれます。
前職が日本語教育とは異なる業界にいた場合は熱意を伝えられるようにしておきましょう。
日本語教師の経験
- 「教えてきた学習者の国籍は?」
- 「使用教材やテキストを教えてください」
- 「グループレッスンは経験がありますか?」
- 「プライベートレッスンは経験がありますか?」
- 「日本語を教える上で大切にしていることは何ですか?」
- 「これまでどんな日本語教育機関で教えてきましたか?」
日本語教師の経験がある場合に聞かれる質問例です。
応募時に提出する日本語教育経歴書の内容を説明できるように準備しておきましょう。
価値観や将来の展望
- 「将来はどうなりたいですか?」
- 「日本語教師として学習者に何を提供できますか?」
- 「日本語を教える上で大切にしていることは何ですか?」
- 「あなたが考える理想の日本語教育とはどのようなものですか?」
- 「多国籍クラスと単一クラスどちらのほうが授業をしやすいですか?」
価値観や将来の展望なども面接時に聞かれることがあります。
学校側が掲げている理念と自分の考えが同じであることをアピールしましょう。
日本語教師の模擬授業ではどんな文型が出題される?
日本語教師の模擬授業時に出題される文型はさまざまです。
本記事では、多くの日本語教育機関で使われている日本語教科書『みんなの日本語 初級Ⅰ』『みんなの日本語 初級Ⅱ』の中から模擬授業時によく出題される文型をピックアップしていきます。
『みんなの日本語 初級Ⅰ』『みんなの日本語 初級Ⅱ』の文型はこちらからご覧ください。
それでは出題されやすい文型を課を追って解説していきます。
【第7課】~にあげます/~にもらいます
あげもらい表現、授受表現は第7課で登場する文型です。
生徒役がいる場合は、実際に生徒に物を手渡しながら見せることをおすすめします。
動詞のた形(過去形)は第19課で習う文型のため、動詞のた形(「あげました」「もらいました」)は使わずに動詞のます形(「あげます」「もらいます」)で行ったほうがベターです。
語彙は学習者が未習のものではなく、第7課までに習ったものを使うようにしましょう。
【第13課】~がほしいです/~たいです
「~がほしいです」「~たいです」は第13課で登場する文型です。
「~がほしいです」「~たいです」どちらも主語は一人称(私)であることを確認します。
「(名詞)がほしいです」はほしい対象の絵カードなどを見せながら学習者に言ってもらいます。
「(名詞)が(動詞)たいです」については、動詞のます形を見せて「(動詞)たいです」でいくつか言わせてから、「(名詞)が(動詞)たいです」に移行するのが自然な流れです。
語彙は学習者が未習のものではなく、第13課までに習ったものを使うようにしましょう。
【第14課】て形/て形ください
「て形」のグループ分け、「て形ください」はどの文型もよく出題されます。
「て形」に入る前に動詞のグループ分けは既習済みかどうかも面接官に確認しておくとよいです。
「て形」は2グループ、3グループ、1グループの順に指導するようにします。特に1グループは細かなルールがあるので板書をするのはもちろん、て形の歌なども活用するのがおすすめです。
「て形ください」は指示、依頼、勧めの3つの意味があります。それぞれどんな場面で使うのかを学習者にイメージさせながら言わせます。語彙は第14課までに習ったものを使いましょう。
【第17課】ない形
「ない形」は第17課で登場しますが、この課でようやく動詞の否定文が言えるようになります。
「ない形」も2グループ、3グループ、1グループの順に教えるのがよいです。2グループと3グループは動詞のます形を見せて「ますを取って、(動詞)ないをつけます」と教えるだけ。1グループは「動詞のます形の前をイ段からア段に変えて、(動詞)ないをつけます」と教えます。
「ない形」が言えるようになったら「ない形+でください」へ自然に移行できます。
【第19課】た形
「た形」は第19課で登場しますが、この課でようやく動詞の過去形が言えるようになります。
「た形」も2グループ、3グループ、1グループの順に教えるのがよいです。2グループと3グループはて形を見せて「てを取って、(動詞)たをつけます」と教えます。1グループは板書をしたり、て形の歌も活用しながら「た形」のパターンを教えるのがおすすめです。
「た形」が言えるようになったら「た形+ことがあります」へ自然に移行できます。
【第37課】動詞受身形
「動詞受身形」は第37課で登場します。
「動詞受身形」も2グループ、3グループ、1グループの順に教えるのがよいです。2グループは「ます形のますを取って、られますをつけます」と教えます。3グループは「きます→こられます」「します→されます」となり、1グループは「iますをaれますに変えます」と教えます。
本記事のまとめ
本記事は「日本語教師の採用面接や模擬授業の準備をしたい方」に向けて解説してきました。
日本語教師の採用面接時で聞かれること、模擬授業時に出題されやすい文型は以下の通りです。
- 志望動機
- 雇用条件
- 経歴や職歴
- 日本語教師の経験
- 価値観や将来の展望
- 【第7課】~にあげます/~にもらいます
- 【第13課】~がほしいです/~たいです
- 【第14課】て形/て形ください
- 【第17課】ない形
- 【第19課】た形
- 【第37課】動詞受身形
こちらの記事では日本語教師の採用面接で聞かれやすい質問をまとめています。
「日本語教師の採用試験に合格するコツ」について知りたい方はご一読ください。